【熱海の数字いろいろ】 第1回 まちの空き物件
2014年4月15日 0:29am
数字から熱海のまちを眺めてみると、
いままで見過ごしていた現実と可能性が見えてくる。
第1回目のテーマは、リノベーションシンポジウムでも話題になった
「遊休不動産(空き物件)」について。
01. 「熱海駅から起雲閣まで歩くと目につく空き物件は139軒」
熱海駅から起雲閣までおよそ20分の道のりは、観光で訪れる人の姿も多いエリア。その道すがらに見かける建物のうち、1階部分が空室になっているのはエリア全体で139軒。単純に考えれば、1分歩くたびに6〜7軒の空室を目にする計算となる。
02. 「2035年、熱海の人口はピーク時の半分以下になる!?」
熱海の人口は1965年の5万4540人をピークに減り始め、2012年には3万8546人に。ここ数年は20〜30代が毎年100人前後のペースで減少している。このままいくと2035年にはピーク時の半分以下である2万5773人になると予測されている。
03. 「中央町と銀座町は5戸にひとつが空室」
糸川をはさんで隣り合う中央町と銀座町。NPO法人atamistaの調査によれば、ふたつの町内の空室率は平均22.9%。本来ならば居住希望者が多いはずの中心地域で、5戸に1戸が空室のままになっている。ちなみに、全国の平均空室率は約13%!
04. 上階になればなるほど空室率も上がっていく」
中央町と銀座町の空室率をフロア別に調査してみると、2階以上の空室率が高いことがわかる。居住者が増えれば、まちの経済効果は高まるはず。けれど、「人口が減れば空室になるのは当たり前」と放置してしまえば、新しい可能性は生まれにくい。
05. 「歩く通りが変われば空室率も大きく変わる」
同じ町内でも、通りやブロックごとで空室率に大きな変化が。たとえば東西と南北それぞれの通りを調べた結果、低い通りは0%、高い通りでは54.5%となった。その要因はさまざまだが、通行人が多い通りやエリアは空室率が低い傾向にある。